canser


ボランティア活動をする人は、「健康な人で、ある程度時間とお金に余裕のある人」
と思っていた。が、違った。今日一緒に活動した人は、がん治療中の男性。
前回の活動でも同じ場所で作業をしたが、まさか癌を患っているとは思わなかった。
細かいことはプライバシーを侵すことになるから書かないが、
それにしても、地元を離れ、車中泊をし、定期的に通院もする、その魂の強さ。
確かにスコップをもってガンガン動く、という姿は見えなかったが、、
足取りも確かで、意見もハッキリ言う姿は、とても病人には見えなかった。
過去には熊本や津久見にもでかけ、ボランティア活動に熱心に取り組んでいる。
そしてこの春、健康診断で影が見つかる。
大きな病院で精密検査を受けたら、癌が見つかり、既にあちこちに転移している。
ステージ4。このまま治療をしなければ年内持つかどうかの状態。
彼は、過去に診察を受けたことのある別の病院を受診する。
そこで彼は幸運を手にする・・・・・・・色々あるけど省略。
彼の癌に効果のある抗がん剤が見つかったのだ。


癌の告知を受けた後、しばらくは戸惑いの日々を送ったらしい。当たり前だ。
しかし彼はそこで覚醒する。
今後の事を家族に託し、ボランティア活動に更に力を注ぐ。
ただただ、ボランティア活動をするためだけに建設重機の免許を取ったのだ。
今日もユンボを使ってせっせと泥を運搬車に積み込む。
こんな人がいるだろうか!!


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と思ったら、ボランティアのために重機の免許を取る人はある程度いるらしい。
さらにビックリなのは女性にもいるらしい。
曰く、「女は力が弱いのでスコップ作業などの力仕事では男に引けを取る。
それならば重機を操れば、男女の差はない。」スゴイ発想だわ。


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彼は言う。ボランティアの神様が私に幸運をもたらしてくれた。
その代わり「もっと働きなさい!」と言われた気がする。
彼は今まさしく人生のゴールデンタイム(黄金期)を過ごしている。
ボランティアをする事が彼の命の源=生きがいなのだ。


精一杯作業した後は温泉に浸かり、スーパーの刺身を肴に二合の酒を飲む。
そして車中泊。
んんん~自分の生き方を見つけた人は、潔い。


(一部脚色した部分があります。)